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    <title>空涙製作所</title>
    <link>https://ykszk.kashi-hondana.com</link>
    <description>空涙製作所・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 行木しずく.</copyright>
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      <title> - 町外れの塔の後ろをちょうど飛行船が横切っていった時、いばらの絡まる柵のそばでお焼香の作法がわからなかった話</title>
      <link>https://ykszk.kashi-hondana.com/author/page/694/section/15158</link>
      <pubDate>Sun, 29 Jan 2023 18:30:00 +0900</pubDate>
      <description>暑い日、何も出来ない俺の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「暑い、」
　ぐんにゃりと項垂れながら、俺は柵にもたれかかった。
　ちり、と一瞬指先が熱く、そして冷え始める。
「いってぇ……」
　よく見れば薔薇が絡まっているところがあって、その茨に引っ掛けたらしい。つくづく、運が悪い。
　舌先に鉄サビの味を感じながら空を見上げれば、呑気な飛行船が視界を横切っていった。
　何もかも穏やかで、平和で、ただひたすらに俺だけが置いて行かれて。
　鮮やかな青空が俺の瞳を手酷く灼く。
　どうして、と、声が喉奥で絡まってついぞ吐き出すことは叶わなかった。
　どうして、
（どうして、俺ばかり置いて行かれる？）
　胸ポケットを漁って引っ張り出した煙草をくわえて、火を点ける。先程引っ掛けた傷がちりちりと痛むのを無視してライターを強く押す。
　何度かトライしてようやく煙草の火が点いて、俺は深く深く吸い込んだ。思わずげほげほと咳き込んでしまって、慌てて煙草を口から離して普通に...]]></content:encoded>
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      <title> - 豪雨の降る12月の午前2時、ユートピアという名前の寂れたゲームセンターでキスできなかったことについての話</title>
      <link>https://ykszk.kashi-hondana.com/author/page/693/section/15157</link>
      <pubDate>Sun, 29 Jan 2023 17:50:00 +0900</pubDate>
      <description>始まる前に終わっていたボーイ・ミーツ・ガール。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ばさっ、とビニール傘を雑に振って水気を飛ばし、そのまま傘立てに突っ込む。何もこんな日に雨なんて降らなくてもいいじゃないか。相変わらず、天気に見放されすぎである。
　経年劣化による曇ったガラス戸を押し開くと、いつもと同じ色とりどりの音が俺を出迎えてくれた。
　息を吸って、吐く。
　ここはゲームセンター・ユートピア。最新のアーケード機体からはだいぶ型落ちした機種しかないし、開店日は店長のやる気が出たとき、開店時間は店長が起きた時間から寝る時間まで、というナメ過ぎな運営をしている、果たしてどの辺りがユートピアなのかと小一時間くらい追求したくなるにも関わらずどうにもここは居心地がよくて、なるほど俺も大概社会不適合なんだなぁ……なんてしみじみ感じてしまう。
　たぶん、どこまでも平等に冷たい優しさがあるからだ。
　ゲームの腕前さえ上がれば三百円くらいで一日潰せるし、ここで飲み物が買える上に昔懐かしい...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title> - 3月の嵐の日に、きれいな水の流れる古い町で寂しくなんてないと嘯くきみの顔をみていたことの話</title>
      <link>https://ykszk.kashi-hondana.com/author/page/692/section/15156</link>
      <pubDate>Sun, 29 Jan 2023 17:44:00 +0900</pubDate>
      <description>貴女が幸せであればいいと、それだけを心から願うのです。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「何処へでも行ってしまえよ」

　肌を突き刺すような水温にも構わず、彼女はぱしゃりと素足で水を跳ね上げる。
「別に|妾《あたし》は、君と友人なんかではないんだ、妾の赦しなど、必要ないだろう？」
　一体いつから、彼女の顔をまともに見ていないのだろう。
　ここ最近は、彼女の美しい横顔だけを見つめている気がする。
「何処へでも、行ってしまえ」
　冷え切って青白くなってしまった痛々しい脚を、早く暖めてやらねばならない。
　焚き火のそばへ引き寄せようと右腕を取ると、強く振り払われてその勢いのまま彼女は水路へ倒れこんでいく。
　慌てて私も水路へ飛び込んで、彼女を必死になって引き上げる。
　ここまでくると流石の彼女も大人しく焚き火のそばへとやってきてくれたので、正直助かった。
「……なんで妾のことを助けるんだ」
　下を向いたまま話す彼女の濡れた髪をそっと乾かしていく。だらりと力なく垂らされた腕を動かす気...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title> - こわいような夕焼けが夜に飲み込まれていったとき、微かに油のにおいのする美術室で一つだけ残った薄皮クリームパンについての話</title>
      <link>https://ykszk.kashi-hondana.com/author/page/691/section/15155</link>
      <pubDate>Sun, 29 Jan 2023 17:39:00 +0900</pubDate>
      <description>私と、私の友達だった誰かの話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　喧騒が遠い。
「みんな元気だなぁ……」
　描きかけのキャンバスから視線を外して、窓から校庭を見下ろす。
　文化祭の全行程が終了し、残す後夜祭に向けて生徒たちがざわざわしている。先生たちも、どこか浮き足立っているように見える。
本当は美術部として展示するはずだった絵は結局間に合わず、今も私の目の前に鎮座している。
　筆が乗らない。
　何を生意気なことを、と我ながら思うが、事実だから仕方ない。諦めて布を被せ、今からでも後夜祭に顔を出すかと立ち上がって振り返って、思わず固まった。

「久し振り。」

　吸血鬼がいる。
　黄昏に沈む瞬間の太陽色の瞳。
　見知ったはずの幼馴染が、見知らぬ色の目でこちらを見ている。
　というかここ最近全然学校にも来てなくて一応、ほんとに一応心配をしてやっていたというのにピンピンしてるしその気楽さは一体何のつもりなんだ。
　色んな疑問と畏れと怒りがないまぜになって咄嗟...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title> - 庭の池に氷がはった日、古城跡地で眠ってしまったきみのタオルケットをはいだときの話</title>
      <link>https://ykszk.kashi-hondana.com/author/page/690/section/15154</link>
      <pubDate>Sun, 29 Jan 2023 17:36:00 +0900</pubDate>
      <description>独り善がりな（たぶん）愛の話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　きしっ、と小さな綻びの音がする。
　真っ白に眠った世界を歩きながら、ぼんやりと思う。
　こんなつもりじゃなかった。こんなはずじゃなかった。君を傷付けるつもりなんてなかった。
　どれほど言い募ったって所詮言い訳に過ぎない。なんて言おうと、俺の罪が消えるわけでもない。
　それでも。
　重たい扉を押し開ける。冷えた空気がかき混ぜられて、俺の唇から白い呼吸が零れた。
　自分の影から染み出す黒い熱が、冷たい床を軋ませる。心臓が、痛い。
　真っ黒な足跡から真っ黒な花が咲く。あれは、多分、蓮の花。
　何もなかった空間に異形の花を咲かせながら、俺はこの朽ちた城の中心地へと近付いていく。
　もう一度、君に見つめられたかった。
　もう一度、君の笑顔が見たかった。
　もう一度、君に名前を呼ばれたかった。
　そんな身勝手な理由で君の魂を輪廻からも解脱からも引き剥がすことを、どうか赦さないで。
　黒い軌跡を描きな...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title> - 昨日の雨がちいさな水たまりになって残っていた朝、プラネタリウムの柔らかな椅子に座ったままで眠っていた人についての話</title>
      <link>https://ykszk.kashi-hondana.com/author/page/689/section/15153</link>
      <pubDate>Sun, 29 Jan 2023 17:29:00 +0900</pubDate>
      <description>いつか見た夢、のような話。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「お兄さん、終点だよ」
　澄んだ水が跳ねるような高く柔らかい声に脳みそが揺り起こされる。
目を開いてすぐ視界に入ったのは丸く大きな金色の瞳。
　少し引いて視界が開けると、黒い艶やかな髪がサラサラと頰を撫ぜていた。一瞬混乱するものの、背後から覗き込まれる姿勢か、と理解した。
「目が覚めたかい？」
「……あぁ」
「それは良かった」
　少年の瞳が緩やかに弧を描く。
「よく眠っていたから、本当はそのままにしておきたかったんだけどね」
「申し訳ない……」
「良いってことですよ」
　音もなくするりと隣の席を陣取って、少年は楽しそうに笑う。
「プラネタリウムって、眠るには最高の場所ですよねぇ」
「プラネタリウムで働いている君がそんなこと言っていいのかい？」
「事実ですからね」
　悪戯っぽく笑うと、少年は私の手を引く。真夏の井戸水のような冷たい手。
　少年の左手が私の右手に絡まって、少年の右手が私の左頬を...]]></content:encoded>
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